釣ったサバを捌いて見たら身が白い 氷焼け? 白太?
京急大津の石田丸さんで釣り上げた横須賀産の大サバ
お持ち帰りしたのは3匹です。
サバの持ち帰りはすぐに内蔵を処理することが鍵
サバと言えばよくあたる魚として有名ですよね。
不名誉なことですが、たしかにサバは痛みやすいです。
しかも、寄生虫のアニサキスがいる確率も高いです。
釣ったサバで食中毒になるリスクを減らすためにはコツがあります。
釣り上げたらすぐに血抜き
まずは、釣ったらすぐに血抜きしましょう。
回遊魚であるサバは基本的にはバケツの中や小さないけす、スカリの中では長時間生きられません。
釣りの時合だからと、釣り上げたサバと小さなバケツに放置して釣りに夢中になっていたらいつの間にかサバが死んでいた、なんてのはよくある話です。
サバにあたるリスクを減らし、少しでもおいしく食べたいなら釣り上げたらすぐにエラを切って血抜きをしましょう。
サバは血が多いので、血抜きの最中もバケツの水はこまめに交換するのがおすすめです。
血抜きしたらすぐに内蔵を取り出す
血抜きをして、あらかた血が抜けてきたらすぐに内蔵を取り出します。
これには2つの理由があって、1つ目は寄生虫リスクの低減
魚にいる寄生虫として有名なアニサキスは、基本的には内蔵にいます。
そして、魚が死ぬと内蔵の温度が上昇し、アニサキスにとっては住みづらい環境になるため、内臓から這い出してきて筋肉(魚の身)へ移動するんです。
血抜きをして死んでいる(死にかけ)のサバは、すでにアニサキスにとっては快適な環境じゃない可能性が高いです。
内臓から出てきてしまうと、どこにいるか見つけづらいですし、食べる部分の魚の身にアニサキスがいたら嫌ですもんね。
まだ、アニサキスが内蔵にいるうちに内蔵を出してしまいましょう。
もう一つの理由が鮮度を良くするため
程度の差はありますが、魚の内臓は、死後すぐに腐敗してきます。
内臓が腐敗すると、内蔵の周辺から徐々に魚の身もグズグズになってきます。
魚屋さんで売られている魚の鮮度を判断する基準としてお腹がやわらかいかどうか、というものがありますが、これは内臓の腐敗具合を見ているんです。
内蔵をすぐに出してしまえば、そんなリスクは全くなくなり、非常に鮮度の高い状態で魚をキープできます。
内臓の出し方は、エラ蓋の下を切り取り、そこからハサミでおしりの方までお腹を切り開くのがいいでしょう。
そうしたら、そのまま指で内蔵を取り出します。
嫌な人は手袋をつけてやるといいですし、バケツの水の中でやるとやりやすいです。
また、頭の背骨側を切り、頭と内蔵をくっついた状態で取り出す方法もあります。
あくまでも簡易的に内蔵を取り出すだけなので、かんたんにやれる方法で良いと思います。
軽く洗ったらすぐに冷やす
血抜き、内蔵が終わったら、軽く海水で洗って上げて、クーラーに保存しましょう。
ジップロックに入れてからクーラーに入れると、クーラーボックス内があまり汚れないのでおすすめです。
クーラーボックスには海水も入れることで、塩水が魚全体も冷やしてくれるので、氷だけでなく、海水も少し入れるのがベストです。
その場合は、氷が溶けてしまうと塩水の塩分濃度が低くなるので、凍らせたペットボトルや保冷剤がいいと思います。
我が家で使っている最強クーラーのライトトランク
塩水の塩分濃度が低くなると、浸透圧の関係で魚の体内に水が入っていってしまいます。
そうなると、魚の身がびちゃびちゃになりあまり美味しくありません。
魚をジップロックなどに入れていれば平気かもしれませんが、水温の関係から考えても海水の塩分濃度のままのほうがおすすめです。(塩水は水よりも冷たくなります)
自分の場合は、凍らせたペットボトルを入れたクーラーにジップロックに魚を入れています。
魚の数や外気温によっては海水は入れないこともありますが・・・
魚の内臓の処理はサバだけでなく、すべての魚でやっています。
タイやイサキなんかも、こうやって処理しておくとかなり美味しいですし、家に帰ってそのまま熟成魚にすることもでき、帰宅後の手間がだいぶ省けます。
生ゴミも出ないですしね。
カワハギなどのように肝を食べるやつは、内臓を出したあとに、肝だけ戻したりもします。
鯖についてもしめ鯖などにして、釣った当日中に食べたりしていますが、あたったことはないですね。
サバで注意すること アニサキス、ヒスタミン、痛み
サバの食中毒予防で注意する点は3つ
1つ目はアニサキス
これは、内蔵をすぐに取り出すことでほぼ100%に近い確率で予防できます。
注意するとしたら、内臓を取り出したときにアニサキスを取りこぼして、そこからサバの身に潜伏されることです。
しっかりと内蔵を出して、お腹の中を洗えばリスクはかなり減らせます。
また、火を通すか、長時間冷凍することでも死滅するので、確実にリスクを減らすならこういった方法も検討しましょう。
しめ鯖など生で食べる場合は3日程度冷凍すると安心です。
2つ目はヒスタミン中毒
サバに限った話ではありませんが、マグロやブリなどの赤みの魚にはヒスチジンという物質が多いです。
ヒスチジンは常温で放置するとヒスタミンを生成してしまい、このヒスタミンを対象に摂取するとヒスタミン中毒になってしまいます。
クーラーボックスの温度があまり低くなっていなかったり、常温で放置してしまったサバはこのヒスタミン中毒の危険性があります。
クーラーボックスは氷を多めにして、しっかりと魚全体が冷えるようにしておきましょう。
しっかりと冷やされていればあまり心配はありません。
ただし、このヒスタミンは一度生成されてしまうと、加熱しても分解されません。
そのため、加熱すれば大丈夫、という過度な信頼は危険です。
厚生労働省のヒスタミン中毒に関するサイトはこちら
3つ目は痛み
サバは痛みやすい魚です。
ヒスタミン中毒の予防もあるので、温度管理はしっかりやりましょう。
この他に注意する点としては海水にいる腸炎ビブリオ菌です。
海水で洗ってそのまま食べたりせず、表面は真水できちんと洗いましょう。
また、魚の表面には海水が付着しているので、まな板はこまめに洗って調理しましょう。
京急大津のサバを捌いたら身が白い
京急大津で釣ってきた大サバ
持って帰ってみると、2匹は40cm、1匹は45cm近くありました。
でかい・・・
身も丸々としていて、美味しそうです。
サバしか釣れなかったときは残念ですが、サバはもちろん美味しい魚ですからね。
さっそく捌いてみました。
赤、赤、白 サバの身の色
サバの身を捌いてみると、2匹はいつもの赤みです。
しかし、3匹目を捌くとなんと真っ白
すでに火を通したような色になっています。
クーラーボックス内で魚が重なり、あまり冷やされずに傷んでしまったのか・・・
それとも、こういうサバの種類なのか・・・
痛みやすいサバという魚だけに、ちょっと不安です。
傷んでいる
傷んでいる可能性について考えてみました。
今回、釣ったあとにすぐに内蔵を出して冷やしていますが、ボート場では小さなクーラーボックスでした。
中にはカサゴと大サバが三匹
魚の重なり具合によってはあまり冷えなかった可能性もあります。
傷んでいる場合は変な臭いなどもすると思いますが、臭いは普通の魚の臭いでした。
また、ヒスタミンが生成されていると舌や唇がピリピリすることがあります。
少し切って口に入れてみましたが、そんな感じもありません。
脂が乗っている
白い身のサバだけ妙に脂が乗っている感じでした。
あまりよく見ませんでしたが、サバの種類が違う可能性もあります。
また、基本的には沖を回遊する回遊魚のサバですが、根の周りに居着く個体もあるそうです。
こういった個体は脂が乗っていて、おしいいんだとか。
意図的にこうするために、養殖などでもこういったサバがいて、ブランド鯖になっています。
これらの中には脂が乗っていて身が白っぽいのもいるそうです。
氷やけ、白太(シラタ)
傷んでいるのとは逆に、氷に直に接触してしまい氷やけしている可能性もあります。
こういった魚は白太(シラタ)と呼ばれ、漁業関係者の間では有名なようです。
身が氷やけしてしまっているので、刺し身では味も見栄えも落ちるそうですが、加熱調理すればほとんど変わらないそうです。
魚問屋は避けるみたいですね。
魚の切り身の両面とも白くなっているので、そんなに魚全体が氷やけするかな、というのはあります。
白い身の鯖 食べてみた
不安はありましたが、白い身の鯖を食べてみました。
調理方法はシンプルに塩サバです。
フライパンに入れると、身からジュワジュワと脂が出てきます。
まるでバターを敷いているよう・・・
同じく赤みの鯖も前日に塩サバにしているのですが、明らかに違います。
そして気になるお味は・・・
美味しい
ヒスタミンのピリピリ感もなく、プルプルした食感の美味しい鯖でした。
ヒスタミン中毒の場合は食度1時間以内に症状が出るのですが、それもなく、その後も食中毒的な症状は出ませんでいた。
結果オーライですが、なぜ身が白かったんでしょうか?
脂が乗っていたのかな?
まとめ
魚についてはいろいろな個体がいて、病気になっていたり弱っていたりして身に異変が出ていることもあります。
私は、白い切り身の鯖を色々調べて食べてみましたが、少しでも不安なら食べないという選択肢が正解な気もします。
鯖は非常に美味しかったですが・・・
魚を調理していて、いつもと違うなっと感じた人の参考になればと思います。
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